血圧が高い方が使用してはいけない薬剤
市販されている医薬品には、何らかの疾患に罹っている場合に使用してはいけない場合があります。
今回は、 血圧の高い(高血圧)の人が注意すべき薬剤についてです。
まず、高血圧に限らず何らかの持病のある方は基本的に主治医への相談を優先させてください。
で、今回注意すべき薬剤として「総合感冒薬」、「鼻炎薬」、「鎮咳去痰薬」について説明します。
結論から述べると鼻炎の解消を目的として「 プソイドエフェドリン塩酸塩」が配合されている薬剤は高血圧の方は使用できません
また、主としてせき止めを目的として「㎗-メチルエフェドリン塩酸塩」は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談することとなっています。

 

「プソイドエフェドリン塩酸塩」、「㎗-メチルエフェドリン塩酸塩」はアドレナリン作動成分といわれ、交感神経に作用する成分です。
「プソイドエフェドリン塩酸塩」は交感神経(α受容体)を刺激して血管を強く収縮させることにより鼻炎症状を改善しますが、同時に血圧も上昇させてしまいます。
よって、血圧の高い方は使用不可とされています。
「㎗-メチルエフェドリン塩酸塩」も交感神経(α/β受容体)を刺激しますが、血管収縮作用はそれほど強くなく、気管支拡張作用による鎮咳効果を目的に使用します。
よって、血圧の高い方は使用不可ではありませんが、服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談することとなっています。

 

一口メモ:プソイドエフェドリン(エフェドリン)とメタンフェタミン(覚醒剤:ヒロポン)

プソイドエフェドリンと覚醒剤であるメタンフェタミンはその構造が非常に酷似しています。
そのため、プソイドエフェドリンは非合法に覚醒剤を合成する際に使用されています。
プソイドエフェドリンの依存性はそれほど強くありませんが、長期に継続的に使用あるいは大量に使用した場合は、依存症になる可能性があります。
用法・用量を守って使用しましょう