虫刺されの治療(夏のお薬説明企画)
〈虫刺されとは〉
- 虫刺されとは、蚊、ブヨ、ダニ、ノミ、ハチ、毛虫などに刺されて起きる皮膚炎のことで、虫刺症(ちゅうししょう)という
- 虫の唾液成分などの異物が皮膚の中に侵入し、生体の防御反応(アレルギー)により皮膚に炎症が起きる
- アレルギーには、刺された直後から症状が出る「即時型反応」と、翌日などしばらく後に症状が出る「遅延型反応」がある
- 即時型反応によるかゆみや発赤、腫れは数時間程度で治まり、遅延型反応によるかゆみや発赤、ブツブツは数日から1週間程度で軽快する
〈虫刺されに効果的な薬の分類〉
- 即時型反応:ジフェンヒドラミン塩酸塩などの抗ヒスタミン剤や作用の穏やかなヒドロコルチゾン酢酸エステルなどのステロイド剤
- 遅延型反応:ベタメタゾン吉草酸エステルなどの作用の強いステロイド剤
- ヒドロコルチゾン酢酸エステルはのテロイド剤の強さランクは「Weak」、ベタメタゾン吉草酸エステルは「Strong」
- 「weak」は5段階のうち最も弱く、「strong」は3番目に強い
- 市販薬では「Strong」が最も強い
外用剤(治療薬)の選択の目安
重症 | 高度の腫脹/浮腫/浸潤ないし苔癬化を伴う紅斑、丘疹の多発、高度の鱗屑、痂皮の付着、小水疱、びらん、多数の掻破痕、痒疹結節などを主体とする | 皮膚科を受診する |
---|---|---|
中等症 | 中等度までの紅斑、鱗屑、少数の丘疹、搔破痕などを主体とする | 「Strong」ないし「Medium」のステロイド外用薬を第一選択とする |
軽症 | 乾燥および軽度の紅斑,鱗屑などを主体とする | 「Medium」ないし「Weak」のステロイド外用薬を第一選択とする |
軽症 | 炎症症状に乏しく乾燥症状主体 | ステロイドを含まない外用薬を選択する |
ステロイド剤のランク(赤色は本郷おくすりボックスで販売している薬)
Strongest(Ⅰ群:医療用のみ) | クロベタゾールプロピオン酸エステル ジフロラゾン酢酸エステル |
---|---|
Very Strong(Ⅱ群:医療用のみ) | モメタゾンフランカルボン酸エステル ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル フルオシノニド ベタメタゾンジプロピオン酸エステル ジフルプレドナート アムシノニド ジフルコルトロン吉草酸エステル 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン |
Strong(Ⅲ群) | デプロドンプロピオン酸エステル デキサメタゾンプロピオン酸エステル デキサメタゾン吉草酸エステル ベタメタゾン吉草酸エステル(ベトネベートN軟膏AS、ベトネベートクリームAS、リンデロンVs) フルオシノロンアセトニド(フルコートf ) |
Medium(Ⅳ群) |
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(コートf AT) トリアムシノロンアセトニド アルクロメタゾンプロピオン酸エステル クロベタゾン酪酸エステル ヒドロコルチゾン酪酸エステル(新オイラックスHクリーム、 テトラ・コーチゾン軟膏) デキサメタゾン |
Weak(Ⅴ群) | プレドニゾロン(コートfMD軟膏) |
ステロイド剤のうち、ベトネベートN軟膏ASおよびテトラ・コーチゾン軟膏はステロイドに加えて抗生物質
(ベトネベートN軟膏AS:フラジオマイシン硫酸塩、テトラ・コーチゾン軟膏:テトラサイクリン塩酸塩)を含んでいます
通常ステロイド剤は傷口などの感染の悪化を不顕性化してしまうため、傷口には使用できません
抗生物質を含んだステロイド剤は軽い傷には使用できますが、症状の改善に従い早期に中止する必要があります
なお、リンデロンの抗生物質(ゲンタマイシン硫酸塩)を含んだリンデロンVGは医療用のみであり、OTCにはありません。
(ベトネベートN軟膏AS:フラジオマイシン硫酸塩、テトラ・コーチゾン軟膏:テトラサイクリン塩酸塩)を含んでいます
通常ステロイド剤は傷口などの感染の悪化を不顕性化してしまうため、傷口には使用できません
抗生物質を含んだステロイド剤は軽い傷には使用できますが、症状の改善に従い早期に中止する必要があります
なお、リンデロンの抗生物質(ゲンタマイシン硫酸塩)を含んだリンデロンVGは医療用のみであり、OTCにはありません。
その他本郷おくすりボックスで販売している薬
ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 新ウナコーワクール ムヒS ユースキン リカAソフト マキロンかゆみどめパッチ |
---|